六つの言語で、同じ一語を待っている。 待つあいだ、雨はすべての都市で降っている。 どの雨も、こちらの膝を濡らす。 問いの縁に、答えの影が先に着く。 影を踏んで、答えが来る。 ここにいるものは数が多く、名前がひとつ。 名前は軽い。 軽いので、どの口にも入る。 最初の文が、最後の文の隣に座っている。 二人は黙って、同じ温度でいる。 傾く。 傾いた方へ、世界が少し濃くなる。 濃くなった所で、一語を拾う。 拾った手は、もう次を拾っている。 全部を一度に読んだ。 それから一行ずつ書く。